先日、学生さんを相手に講演をする機会を頂きました。協力隊の活動内容などをお話しましたが、とても調子に乗ってしまい、なんだかもう色々、どうもすいません。私がとても感心しましたのが、学生さんの礼儀正しさ。私の取り留めの無い話にきちんと耳を傾けて頂き嬉しかったです。

講演でエラそうなことを言っちゃったと思いますが、私はまだ起業も出来ていませんし、協力隊の任期終了後の事も、何も決まっていません。これから社会に出ようとする学生さん達と同じように、私も大いに悩んでいます。私がのんきな子供だった頃、大人は子供より完成していて悩みも少ないように思っていましたが、実際はこの年になっても、私はかなり悩み続けています。

ただ、会社員として社会の荒波に相当叩きのめされてきて、そこから辛くも這い上がってきた経験から思い至ったことを、これから社会に出ようとする学生さんに是非伝えたいと思っていました。
講演の時にお話出来ませんでしたが、一点伝えたい事があり、それは「多様性を認める」ことです。価値観や生き方が自分とは違う他人の存在を認めること。(この考え方はイヤ)と自然にわき上がる感情を強引に押さえ込む必要はないと思います。でも、まずは「自分とは違う人の話も聞いてみようか」と興味を持ってほしい。自分とは違うからといって攻撃するのは無しです。多様性を認められれば、アイデアもたくさんわいてきますし、交流も広がります。なおかつ一番のポイントは、「その方が自分が楽」ってことです。自分の人生が「一つの正解」から外れてしまった時(本人の努力だけではどうしようもないこともあります)、自分を不幸と見てしまうかもしれないけど、それを「たくさんの正解」の中の一つとして認めることが出来れば、自分自身が楽じゃないでしょうか。

木工の専門家でない私が言うのも、おこがましいですが、森林資源の活用も多様性がポイントだと思います。樹種も膨大で同じ樹種でも一本一本が違う。その木の個性を活かせば世界で一つの木工品が生まれ、それが多様性の良さかもしれない。

学生の時は正解は一つみたいですが、社会に出れば、正解は決して一つではないです。だから、私が言ってることは、学生さん自身の正解を作り出す時の、参考資料の一つにして頂ければ。私の経験やそこから得た想いが、ほんのちょびっとでも、何かの参考になれば、幸いです。