深川市のお隣、芦別市で、道立の林業学校の誘致が進んでいます。
1月18日に「北海道立林業学校設立シンポジウム」が芦別市で開催され、「北海道の森林・林業の未来について~岐阜県立森林文化アカデミーから学ぶ~」と題し、同校副学長の川尻氏のご講演がありました。その講演に、とても感銘を受けました。

岐阜県立森林文化アカデミーは、意欲的な試みで有名な林業学校です。2年制の専門学校で、林業の現場の作業や森林経営だけでなく、木材を利用する建築や木工技術、森林環境教育も教えています。市民向け講座も多く開講しており、私も深川に来る前に一度、グリーンウッドワーク講座というのを受講したことがあります。

学生の年代は18~60歳過ぎと幅広く、人気テレビ番組の元ディレクター(?)だった方など、異業種で経験を積んだ社会人も多いとのこと。入学試験では「成績が優秀な人」ではなく「目的意識がある人」をとるそうです。学生に求めるものは大きく、その姿勢は「会社にどんな貢献をしてくれますか?」という、民間企業の採用試験のようだと、メーカーで働いてきた私は勝手に思いました。シビアですけど、学生が「確実に」成長する教育姿勢だと思います。教員も個性的で、数年毎に見直しが入るそうです。

森林文化アカデミーは、近隣の市町村と多くのコラボをしています。その一つ、「道の駅美濃にわか茶屋」は、設計構想の段階から関わったそうです。例えば、学生が、どんな道の駅が良いかを考える、市民ワークショップを実施。建築の教員が技術支援を行い、地域材を用いた、日本初の木造の防災拠点として建築されることに繋がりました。県産材を利用した施設内の家具も試作協力をしています。

以下は、私の意見です。本講演を聴講し、地域に林業学校が来るメリットを、私なりに考えました。プロフェッショナルな人材が集まること。良い情報が集まってくること。その結果、地域を活性化するプロジェクトが「次々と」実行されること。

一人では大した事はできないです。意欲がある人々が集まれば、アイデアはより良くなる。それぞれが出来ることで、プロジェクトを確実に形に出来る。そのような集団には「こんな事もできないか?」と、新たな情報がもたらされる。一つが二つになり、二つが四つになり、さらに、新しいプロジェクトが生み出されていく。
道立林業学校に、私は期待しています。